電気電子工学は、あらゆる産業を支える基盤技術であり、高度に発展した文明・社会を維持・発展させるために不可欠な学問分野です。その対象領域は、大規模電気エネルギーの発生・制御をはじめ、電波や光などの波動を活用した情報通信技術、その基盤となる信号処理や電子回路、超高速トランジスタ・集積回路、レーザ・光回路、電気電子材料、さらにはこれらの技術を融合した安心・安全な社会システムの実現に至るまで、広範なエレクトロニクス分野に及びます。 山口大学工学部創成工学科電気電子系では、教育・研究を通じて電気電子工学の確かな基礎力を培うとともに、絶え間ない技術革新に柔軟に対応し、社会の発展に貢献できる優れた電気電子技術者を継続的に育成・輩出することを使命としています。この理念に共感し、自ら課題に挑戦し続ける意欲と向上心を備えた、積極性あふれる学生の皆さんを歓迎します。 本系では、学部卒業生の約70%が大学院へ進学しています。一方、就職を希望する学生については、電機メーカーをはじめとする多様な企業・機関への就職実績を有し、毎年ほぼ100%の就職率を維持しています。大学院博士前期課程修了者についても、その大半が就職し、同様に毎年ほぼ100%の高い就職率を達成しています。 求人は、機械、輸送用機械、電気・電子、金属、化学、情報通信などの製造業をはじめ、建設業やサービス業など多岐にわたります。また、在学生数に対する学校推薦応募の求人数は10倍を超えており、大学院修了者は学部卒業者と比較して大手企業へ就職する割合が高いことも、本系の大きな特色です。 保護者ならびに産業界の皆様には、山口大学工学部創成工学科電気電子系の教育・研究活動に対するご理解とご支援を賜りますとともに、本系のさらなる発展に引き続きご協力くださいますよう、心よりお願い申し上げます。
材料物性,先進デバイス,エネルギー制御などに係る専門科目を通し,専門知識を習得します. 本コースでの学修により,電子材料,半導体デバイス,エネルギー機器などの分野での活躍が期待されます.
高校の「物理」や「化学」で学ぶ原子・分子のつくりや電気や熱の伝わり方を発展させ,金属,半導体,磁性体,誘電体,超伝導体など多様な電子材料が持つ性質について,電子・イオン・スピンの振る舞いをひも解いて学びます.例えば,電気の流れやすさ,光や熱との相互作用などを講義や実験・解析を通じて体系的に習得できます.こうした材料物性の知識は,新しい電子デバイスやエネルギー機器を生み出す基礎となります.
スマートフォンやパソコンの中で働くトランジスタやメモリ,LED照明や太陽電池などの最先端デバイスについて学びます.高校物理で扱う電気回路や電磁気の知識を土台に,微細な構造をもつ半導体デバイスがどのように電流を制御しているのか,新しい材料や構造を用いるとどのような性能向上が期待できるのかを理解します.将来のエレクトロニクスを支える「先進デバイス」を設計・評価できる力を育てます.
電気や熱などのエネルギーを「つくる・変える・ためる」ために,目的に応じて最適に管理・調整することがエネルギー制御です.先端工学(半導体,材料,プラズマ,エネルギーシステム)では,エネルギー制御が性能を決めると言えるほど重要な概念であることを,実験などを通して理解します.先進デバイス製造の基礎力が身につきます.
スマートフォン,自動車から発送電に至る現代社会を支えるデバイス・システムの性能を左右する電子材料の開発や評価にかかわる活躍の場は多岐にわたります.原子・電子レベルで電子材料の組成や構造を工夫し,その性質を解明することで,エネルギー利用効率などの性能改善や,新しい機能の創出を行います.次世代エレクトロニクス・スピントロニクス技術に繋がる新素材の研究・開発を通じて社会課題を解決する技術者・研究者としての役割を担うことができます.
コンピュータやスマートフォンの「頭脳」ともいえる半導体チップや,各種センサー,通信に用いられるデバイスの設計・製造に関わる分野です.トランジスタやダイオードなどの基本素子から,画像センサー,パワーデバイス,高周波デバイスまで,さまざまな半導体デバイス・磁気デバイスがターゲットとなります.高校物理の電気・電子分野を基盤として,微細加工技術や回路設計技術と組み合わせることで,高性能かつ省エネなデバイスを実現します.
電気や熱などのエネルギーを「つくる・変える・ためる」ための装置であるエネルギー機器は,エネルギーを「使える形」に変え,社会を支える基盤機器です.制御系,安全機構,高効率化,信頼性といった要素技術を横断的に扱う人材は,設計・開発から運用・保守までを担い,エネルギーやインフラ分野で活躍し,社会基盤の安定的な維持に貢献できます.
大学院進学 / 電子部品・電気機器製造業 / 自動車・輸送機器企業 / 電力・エネルギー関連企業 など
情報通信技術,計測制御技術,電気エネルギーなどに係る専門科目を通し,専門知識を習得します. 本コースでの学修により,電気・通信機器,自動車・精密機器,電力・エネルギー などの分野での活躍が期待されます.
高校の「情報」や「物理」で学ぶ電気信号の伝わり方やインターネットの仕組みを発展させ,コンピュータ同士がどのように正確に情報をやり取りしているのかを学びます.クラウドコンピューティングやビッグデータ分析,スマートフォン(5G/6G)やWi‑Fiの電波がどのように送受信されているのか,データを間違えずに届けるための符号化やセキュリティの考え方,センサーから集めた情報をネットワークでつなぐIoT技術などを体系的に身につけます.また,情報の送り方のみならず,通信基盤を支える通信システム用のデバイスや電磁エネルギー伝送にも用いられる無線給電システムの構築といったハードウェア技術に関する知識を身につける事も出来ます.
高校物理で学ぶ力学や電気回路・数学を土台に,ロボットやドローン,自動車などを「思いどおりに動かす」ための仕組みを学びます.位置・速度・温度などを調べるセンサの使い方,集めたデータをもとに動きを調整する制御アルゴリズム,マイコンを用いた組込みシステムの基礎などを通して,「現実の動き」と「コンピュータの計算」をつなぐ技術を身につけます.
高校で学ぶ電流・電圧・発電の知識を発展させ,電気を「つくる・おくる・つかう」全体の流れを理解します.発電所(水力・火力・再生可能エネルギー・水素発電など)でどのように電気がつくられるのか,電気を遠くまで効率よく送る送配電技術,電力エネルギーと機械エネルギーや磁気エネルギーを相互に変換する原理,電気自動車や家庭,データセンターなどでの省エネ機器を支える電力変換技術などを学び,環境にやさしく安定した電気エネルギーの有効利用を実現するための電気機器やパワーエレクトロニクスなど電力工学の知識を身につけます.
クラウドサービス,スマートフォンなどの無線端末,ネットワーク機器,家電製品など,身の周りの電子機器の開発・設計・構築に関わる分野です.電波を正確に送受信するアンテナや変復調,電波を伝送する回路の設計,IoT機器や小型電子デバイスの開発,インターネットを支える通信インフラの構築,情報通信ソフトウェア開発などに携わることができます.高校で学ぶ電気回路や電場・磁場,プログラミング,情報通信の基礎がそのまま応用されるフィールドです.
自動運転・電動化が進む自動車や,ロボット・ドローン,カメラ,医療機器などの精密機器の分野で活躍できます.センサで周囲の状況を正確に測り,安全に動かす制御システムや,モータやバッテリーを効率よく使う電力制御技術などが求められています.高校で学ぶ力学や数学を背景に,電子システム工学コースで培った計測・制御・エネルギーの知識を活かせる分野です.
電力会社や発電・送電設備メーカー,再生可能エネルギー関連企業,自動車関連企業,半導体製造産業など,社会インフラを支える分野です.発電所や変電所のシステム設計・運用,太陽光や風力といった再生可能エネルギーの安定利用,蓄電池を活用した新エネルギー利用の仕組み,電気自動車や鉄道などの輸送交通機器を高効率に動かし有効に利用するための技術開発などに関わることができます.持続可能な社会を実現するための「電気エネルギーのプロフェッショナル」として活躍が期待されます.
大学院進学 / 通信・電気機器製造業 / 自動車・輸送機器企業 / 電力・エネルギー関連企業 など
当学科は、光・電子デバイスから通信・計測・制御、電気エネルギーまで電気電子工学を幅広くカバーしているのが特徴です。 カリキュラムでは、実験・演習による実践的教育を重視し、必要な基礎力を身につけるための必須科目を充実させるとともに、選択科目において、材料・デバイス、通信、計測制御、エネルギーの幅広い分野から各自の目的に応じて学べるようになっています。 また、学生とのコミュニケーションを密にするためのアドバイザー制の導入やティーチングアシスタント(大学院生)による指導・援助などの教育サポート体制を整えています。 これによって、エレクトロニクスの広範囲な分野で活躍することができるエンジニアに必要な実践力と考える力の養成を行っています。
本学部へ入学後、1年次は山口市の吉田キャンパスにおいて「共通教育科目」を主に受講します。 2年次に宇部市の常盤キャンパスに移り、「専門科目」を中心に受講します。 4年次には、将来を見据えて研究室に所属して卒業研究を行います。3年次への編入学においては、高専や他大学での取得単位の一部が認定されます。
第1次産業革命において,人は蒸気機関により自由にエネルギーを作り出す術を手に入れました. そして,第2次産業革命ではエネルギーを電気に変換する術を手に入れ,第3次産業革命では電気を適時適量使用することで産業用ロボット・インターネットの普及を加速させました. 計測制御・情報通信はこのような今日の産業を支える「電気を必要なときに必要な量だけ適切な形で使う技術」を担っています.
第3次産業革命以降の情報通信技術の目覚ましい発展は,IoT時代を到来させました. IoT時代では,現実空間とサイバー空間を高度に融合させ「超スマート社会」の実現が目標とされています. 計測制御・情報通信分野では,これまでに培ってきた「計測」・「制御」・「情報通信」の技術と「人工知能」・「データサイエンス」を融合させ,超スマート社会を支える新たな基盤テクノロジーの創出を目指します.
電気電子工学を理解するうえで、線形代数、微分方程式などの数学や量子力学などの物理学が重要です。 また、電気電子工学は電磁気学、電気回路、電子回路が重要な基礎科目です。 当学科はこれらの科目を必修科目として重点的に勉強します。一方、技術者としては知識だけでなく、実際に知識を応用できる技能も重要であり、そのために学生実験にも力を入れています。 この分野を勉強することにより、あらゆる電気・電子工学領域の技術者として働くことができます。
現代では、大きな工場から自動車まで自動で運転することが多くなってきています。 また、スマートフォンでの無線通信や光ファイバーでの有線通信での情報伝達の重要性が増してきています。 本系では、自動運転の基となる計測工学、制御工学から情報伝達の情報通信工学まで幅広い教育を行います。 この分野を勉強することにより、あらゆる分野の生産現場やあらゆる機器の制御に関する技術者、また、通信機器ばかりでなくIoT機器に関する技術者として働くことができます。
現代の技術革新は大きな企業からだけでなく、Appleなどの個人が起業したベンチャーから数多く起こっています。ベンチャーを起業するためには、電気電子工学の専門の知識だけでなく、その知識を自ら応用してプロジェクトを立案、実施する能力が必要となります。 また、新しい分野を開拓するためには、海外の技術者と協同で働くことが求められてきています。 本系では、実務に近いプロジェクト・ベースの授業による問題解決能力や実用的な英語でのコミュニケーション能力を養成し、国際的に活躍できる起業家の育成を行います。
大学(1年生~3年生)には担任がいません。 そこで、学科の教員が分担して、年に数回学生との面談を行い、学業だけでなく、私生活での悩みの相談を聞く制度です。 深刻な悩みのある人はカウンセラーを紹介致します。恋の悩みも聞いてみてはどうでしょう? 4年生以降は研究室の指導教員が親身になって相談に乗ってくれますよ。