スピントロニクス・超伝導工学研究室

概要

スピントロニクスとは?

スピントロニクスとは”スピン”と”エレクトロニクス”を融合した新しい研究分野です。電子はマイナスを電化を持っていますが、同時にスピンという特性を持っています。スピンは物質の磁気的な性質の源になるものです。つまり物質の磁気的な性質と電気的な性質を組み合わせて新たな機能を持ったデバイスを実現することを目指しています。最近は次世代高機能メモリ素子である磁気抵抗メモリ(MRAM)の開発が進められるとともに、スピンが絡んだあらたな物理現象の解明が盛んです。

超伝導とは?

超伝導とは、極低温の液体ヘリウムや液体窒素などで冷却すると電気抵抗がゼロになる現象です。 今から約110年前に発見され、その後、多くの金属、合金、化合物、酸化物などで確認されてきました。 この現象は電気抵抗がゼロになることから、様々な分野での応用が期待されています。 『超伝導』は、21世紀の技術として、超伝導磁気浮上式鉄道、送電ケーブル、超伝導電力貯蔵装置などへの研究開発が進められています。

基本情報

研究室スタッフ教授・長浜太郎,准教授・家永 紘一郎,准教授・ 原田直幸
専門分野スピンを使った新機能デバイスの開発研究(長浜), 超伝導現象をエネルギー技術に応用する研究(原田)
研究テーマスピンを使った新機能デバイスの開発研究(長浜), 超伝導現象をエネルギー技術に応用する研究(原田)
研究キーワードスピントロニクス, スピン流, 超伝導応用
研究室ホームページhttps://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~spintronics/index.html

研究紹介

酸化物磁性体を用いたトンネル磁気抵抗素子の研究

トンネル磁気抵抗素子は量子力学的効果であるトンネル効果を用いた抵抗変化素子で、MRAMなどのメモリ素子開発の中核となる技術です。電極に用いられている磁性材料の特性がその機能をきめる重要なパーツですが、これまでは金属磁性材料が用いられてきました。我々は反応性MBE成長技術により作製した高機能な酸化物磁性体薄膜をもちいて、新規デバイスを実現するため研究を重ねています。

酸化物磁性体を用いたトンネル磁気抵抗素子の研究

酸化物超伝導テープ線材の特性を有効利用する超伝導コイルの研究

超伝導線を用いてコイルを作製する場合、コイルの巻線部の磁束密度の最大値と使用する線材の特性をもとに設計を行います。 液体窒素などで冷却する酸化物超伝導線材は磁場の方向により電気抵抗ゼロで流すことができる電流の最大値が異なります。 そこで、酸化物超伝導テープ線材の特性を最大限に利用できるコイルの設計方法について研究を行っています。

酸化物超伝導テープ線材の特性を有効利用する超伝導コイルの研究