ワイヤレス通信工学研究室
概要
将来の無線通信システムを考える
本研究室では,スマートフォンや無線LAN(Wi-Fi)などに代表される無線通信システムの将来を考えています.特に,貴重な周波数をさらに有効に利用できる無線伝送技術に取り組んでいます.現在のスマートフォンでも無線LANでも,基地局やアクセスポイントとは一対一で通信を行っています.これは高度な制御が困難なアナログ無線機では当然のことですが,ディジタル化された無線機では,周囲に存在する他の無線機と連携・協力する通信を行うことが容易です.このような連携と「利用する無線機数(アンテナ数)に比例して周波数利用効率が向上する」MIMO(マイモと発音します)伝送技術を結びつけた,これまでにない無線伝送システムを作っていきます.
無線通信の実際を知る
本研究室は,実際に電波を飛ばすことも,室内でエミュレートすることもできます.計算機シミュレーションだけではなく,実際にディジタル無線伝送を体験できることも本研究室の特徴です.
基本情報
研究室スタッフ | 教授・村田英一,助教・Du Xin |
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専門分野 | 無線信号処理,無線ネットワーク |
研究テーマ | 端末連携MIMO通信システム,協力・協調・共同無線ネットワーク |
研究キーワード | 無線伝送技術,信号処理,MIMO (Multiple-Input Multiple-Output) 伝送,リレーネットワーク |
研究室ホームページ | https://researchmap.jp/read0102138/wce-lab |
研究紹介
端末間連携によって通信容量を拡大する携帯電話システム
周波数利用効率を改善できるMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)伝送技術はその改善効果が送信側と受信側の双方のアンテナ数の少ない方にほぼ比例します.つまり送受信のアンテナ数を増やすと良いのですがアンテナ間をある程度離す必要があります.基地局側は可能かもしれませんが,小型の端末(スマホなど)では困難です.ここで着目するのが端末間連携です.これによって端末側のアンテナ数を等価的に大幅に拡大できます.
この端末連携システムで必須となる端末連携用通信は近距離ながら高速かつ低遅延であることが望ましく,ここに5Gで実用化された高周波数帯を活用します.端末連携システムはこのように高周波数帯を活用することによっていわゆるプラチナバンドでのMIMO多重数を効果的に拡大できる可能性があります.
本研究室ではこの端末連携システムにおいて必要となる連携技術,信号処理技術,制御技術の研究を行っています.
