研究

LEDの高効率化に向けたものづくり~結晶成長と評価

私は高品質なInGaN系LED素子を作製する研究を行っています。特にInGaN LED素子内に組み込まれた薄膜結晶の超格子構造が発光効率に与える影響に着目して、結晶成長や結晶性の評価を行っています。研究活動で欠かせないのが写真1にある有機金属化合物気相成長(MOVPE)装置です。温度や原料供給量など最適な条件を探りながら、様々な材料でできた薄い結晶層(数ナノメートル~数マイクロメートル)を多数堆積させる必要があります。また、結晶成長後のサンプルは写真2にある走査電子顕微鏡/カソードルミネッセンス(SEM/CL)装置などの評価装置を用いて、様々な視点から解析し、その結果について考察しています。高度な装置の扱い方を覚えることや、分野の知識を勉強することで苦労もありますが、乗り越えればできること、分かることが飛躍的に増えるので、達成感を感じつつ日々の研究生活を楽しんでいます。
MOVPE装置
この装置で有機金属化合物とアンモニアを原料とし、熱分解反応によりサファイアやシリコンなどの基板上に半導体薄膜結晶を作製しています。青色LEDのベースとなる窒化物半導体を成膜することができます。
SEM/CL装置
SEMは電子線を試料に当てて表面を観察する装置で、光学顕微鏡よりも高い分解能を持っている為、結晶表面や断面の構造を調べる際に欠かせません。また、CLにより半導体層の光学特性も評価することができます。